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第40回日本看護科学学会学術集会 (2020).
慢性心不全患者における栄養状態とQOL・うつ状態の関連

著者

其田 香菜子, 原口 ちひろ, 井川 幸子, 田中 準一, 松浦 江美, 馬場 妙子, 黒田 裕美

カテゴリ

学会発表・シンポジウム

Abstract

1.研究目的  心不全患者において栄養状態の不良は心不全の増悪因子である。心不全患者は自己管理の困難さや身体的苦痛な どによりQOL が低下することやうつ状態になることが報告されている。本研究は慢性心不全患者の栄養状態の実 態を調査し、栄養状態とQOL・うつ状態との関連を検討することを目的とした。 2.研究方法  調査対象はA 病院循環器内科外来を定期受診した慢性心不全患者で、心不全による入院歴がある者とした。調 査方法は質問紙による調査と電子カルテからの情報収集を行った。調査項目は基本属性、栄養指導を受けた経験の 有無、心機能・心不全重症度(左室駆出率、NT-proBNP 値、NYHA 心機能分類)、栄養状態(簡易栄養状態評価表: MNA R -SF)、QOL(ミネソタ心不全質問票)、うつ状態(こころとからだの質問票:PHQ-9)であった。分析方 法は栄養状態不良群と良好群間の比較はカイ二乗検定とマンホイットニーU 検定を用いた。栄養状態とQOL、う つ状態の関連はスピアマンの順位相関係数を算出した。有意水準は5%未満とした。長崎大学病院臨床研究倫理委 員会の許可を経て実施した(許可番号19061722)。 3.結果  対象者数は52 名であり、年齢63.0 ± 16.6 歳、男性23 名(44.2%)であった。栄養状態不良群は23 名(44.2%) であり、食事指導を受けた者は49 名(75.0%)であった。栄養状態不良群はNT-proBNP 値が有意に高かった (p=0.034)。栄養状態はQOL( ρ=−0.457, p=0.001)、うつ状態(ρ=−0.460, p=0.001)と相関関係があっ た。 4.考察  慢性心不全患者の栄養状態は約4 割が栄養状態不良もしくはリスクがあり、心不全重症度、QOL やうつ状態と 関連した。慢性心不全患者において栄養状態の定期的な評価は重要であり、早期に介入することでQOL やうつ状 態の維持や改善に繋がると考える。