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日本循環器病予防学会誌 51, 3, 157 - 165 (2016).
慢性心不全患者におけるうつやQOLに対する電話支援による効果 支援期間の違いによる検討

著者

塩汲 望美, 澤渡 浩之, 宮園 真美, 橋口 暢子, 樋口 円香, 中村 友美, 吉武 さとみ, 田代 英樹, 山崎 啓子, 伊豆倉 理江子, 孫田 千恵, 黒田 裕美, 藤田 香奈恵, 樗木 晶子

カテゴリ

学術論文

Abstract

【背景】慢性心不全患者における外来治療中の健康管理は、その予後を左右する。心不全患者の自己管理を支援し、患者のQuality of life(QOL)や心身の状態を改善するための支援が重要である。その一つとして電話支援の有用性が報告されているが、自己管理を継続し、QOLや心身の状態を改善するのに必要な効率の良い電話支援の方法やその効果の持続性については確立されていない。本研究では、心不全患者において、QOLや心身の状態を改善するのに必要な効率の良い電話支援期間と電話支援の効果持続性について検討した。【方法】41名の心不全患者を1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月の電話支援期間に応じて、無作為に1ヵ月群、2ヵ月群、3ヵ月群と電話支援を行わない対照群の4群に分け検討した。自己管理行動尺度を参考に心不全の自己管理に関する教育的電話支援を毎週それぞれの期間行った。電話支援による身体面、精神面への効果の検討及び、電話支援の効果持続性を評価するため、支援前後、支援終了3ヵ月後に、体重(BMI)、血圧、ベック抑うつ質問票(BDI)、ミネソタ心不全QOL質問票(MLHFQ)、及び健康関連QOL(SF-8)の調査を行った。【結果】1ヵ月群では、電話支援による評価項目の有意な変化は無かった。一方、2ヵ月群においてはBDI、MLHFQ、SF-8の精神的サマリースコアー(MCS)が支援後に有意に改善し、支援終了3ヵ月後には、MCSスコアーのみ支援前と比べ有意に高かった。3ヵ月群においては支援後にMLHFQの有意な改善とSF-8の身体的サマリースコアー(PCS)の改善傾向がみられ、支援終了3ヵ月後にはMLHFQの有意傾向が残っていた。【結語】慢性心不全患者において電話支援によるQOLや心身の状態を改善するには2ヵ月以上の支援が必要であり、その効果の一部(MCS)は支援終了3ヵ月後も持続していたが、他の指標は支援前に戻る傾向が見られた。(著者抄録)