Publication

保健学研究 32, 43-53 (2019)
里親が感じている虐待被害者の自立における課題と必要な支援~里親・ファミリーホームを対象とした全国調査より~

著者

永江誠治, 河村奈美子, 星美和子, 本田純久, 北島謙吾, 岩瀬信夫, 小澤寛樹, 花田裕子

キーワード

虐待, 自立支援, 里親, ファミリーフォーム

カテゴリ

学術論文

Abstract

虐待被害者の委託経験のある里親が感じている、虐待被害者の自立における課題と必要な支援を明らかにすることを目的に、2012年9月~2013年8月に全国のファミリーホームおよび里親会に所属する里親を対象に自記式質問紙調査を実施した。ファミリーホーム85件、里親273件の計358件から回答を得た(回収率30.4%)。虐待被害者(虐待被害疑い含)の養育経験があるのは229件(64.0%)。有効回答202件を解析した結果、6割以上の里親が、児が自立する上でコミュニケーションの取り方を学んでない、基本的生活習慣が身についてない、ストレスへの対処方法を学んでないことに強い不安を感じていた。また、86.1%の里親が、措置解除後の継続的支援の必要性を強く感じており、コミュニケーションの取り方を学んでいない(r=.327, p<.001)、ストレスへの対処方法を学んでいない(r=.311, p<.001)等と有意な相関があった。
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